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フランス人の約3割が1匹以上の犬を飼っている状況では、当然、公共の場で飼い犬は快く受け入れられています。しかし、排泄マナーに関しては、昔から大きな社会問題で、過去に迷惑だと考える違反行為の中で、交通ルール違反、不適切な廃棄物処理、破損、暴力に次いで5位にランクインしていました。世界中の犬の飼い主さんは、当然、我が子の排泄物始末を当然意識していると思いますが、フランスの現状はあまり好ましいものではありません。当然田舎に行けば行くほど、その状況は悪化します。

罰金制度

排泄物は地域の道路の外観を損ねたり、臭いなどの問題は言うまでもありませんが、微生物による病気の蔓延(犬から犬、犬からヒト)も大きな問題です。さらに、経済的にも考えなければなりません。清掃する人を雇ったり、清掃するための備品などの費用もかかります。これらの出費は、全て無責任な飼い主さんの迷惑行為が原因です。そこで登場したのが罰金制です。刑法R632-1条、環境法R541-76条では、犬の排泄物を、廃棄物、ごみ、液体、不衛生な液体、の中に分類しています。その結果、公道上に犬の排泄物を放置すると、2級罰金に処されます。罰金の金額は自治体のよって自由に決定することができ、場所によってはその額が数万円にものぼります。

うんち袋ディスペンサー

残念ながら、罰金制度があるにもかかわらず、まだまだ問題は解決に至っていません。そこで他の対策法として存在しているのが、うんち袋ディスペンサーです(写真参照)。至るところに設置されており、日本人としては、何て親切な設備なんだろう、と喜んで使用すると思いますが、果たしてこちらではどれだけの人が利用しているかは不明です。もちろん、歩いていて使っている人を見かけたことはあります。

ノルマンディーの田舎の現状

現在住んでいる場所(Saint-Aubin-sur-Mer)は、19世紀に建てられた古い漁師の家がそのまま残っている、時間が止まった空間です。パリジャンがよく来るような別荘地で、海と畑に囲まれた小さな村(3,03 km2 )、人口は2,300人程度です。そんな近所を散歩していると、当然、犬の落とし物とノルマンディー特有の馬の落とし物に出くわします。つまり、罰金制度も、うんち袋ディスペンサーも効果が余りないようです。フランスでは靴のまま家に入るため、うっかり踏んづけてしまうと大変なことになります。また、家には猫が2匹いるため、病気の蔓延に注意しなければなりません。ついつい下を向いて歩いているのが現状です!

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